野党が脱炭素の国民経済負担で政権を追及 ― 英国
英国ではボリス・ジョンソン保守党政権が脱炭素(ネット・ゼロ)政策を進めている。だが、家庭用のガス使用禁止やガソリン自動車の禁止等の具体的な政策が明らかになるにつれ、その莫大な経済負担を巡って、与党内からも異論が噴出している。
野党労働党も黙ってはいない。英国の大衆紙サンが報じた。
すなわち英国下院のビジネス委員会は、2050年までに脱炭素化するための「真の経済負担を政権は国民に説明していない」と非難した。

ダレン・ジョーンズ下院議員 公式HPより
委員長のダレン・ジョーンズ議員は、「全国の無数の低所得の人々に、生活が苦しい中、脱炭素のための支払いを強いるわけにはいかない。そのようなことでは、ネット・ゼロを達成するために必要な変化は何も起こらない」と述べた。
これに先立って、英国財務省は、29年後にネット・ゼロを達成するための経済負担は累積で1.4兆ポンド(=210兆円)という試算を示している。
議員たちは、政府ができるだけ早く計画を発表し、ネット・ゼロのコストを心配する一般家庭にとっての意味を説明しなければ反発を招く、とした。
特に、ガソリン車の廃止やガスボイラーの禁止などの対策にかかる費用は、社会全体に公平に分配されるべきだと警告した。
ジョンソン首相はネット・ゼロを達成することは「非常に難しい」と述べている。その一方で、「わが政権は家庭の料金支払いが増えることはしない、それは最優先事項だ」と述べている。
日本の野党も、脱炭素の経済負担について政権に問い糾して、国民の生活を守る義務があるのではないか?
■
関連記事
-
4月16日の日米首脳会談を皮切りに、11月の国連気候変動枠組み条約の会議(COP26)に至るまで、今年は温暖化に関する国際会議が目白押しになっている。 バイデン政権は温暖化対策に熱心だとされる。日本にも同調を求めてきてお
-
国際環境経済研究所主席研究員 中島 みき 4月22日の気候変動サミットにおいて、菅総理は2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、2030年度の温室効果ガスを2013年度比で46%削減、さらには50%の
-
福島原発事故の結果、現時点でも約16万人が避難しました。そして約650人の方が亡くなりました。自殺、精神的なダメージによって災害死として認定されています。
-
バラバラになった小石河連合 ちょうど3年前の2021年9月、自民党総裁選の際に、このアゴラに「小泉進次郎氏への公開質問状:小石河連合から四人組へ」という論を起こした。 https://agora-web.jp/archi
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 以前、IPCC報告の論点㉙:縄文時代の北極海に氷はあった
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 IPCC報告では、産業革命が始まる1850年ごろまでは、
-
シンポジウムの第2セッション「原発ゼロは可能か」で、パネリストとして登場する国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子さんの論考です。前者はシンポジウム資料、後者は竹内さんが参加した、温暖化をめぐるワルシャワでの国際会議でのルポです。シンポジウムを視聴、参加する皆さまは、ぜひ参考にしてください。
-
原子力をめぐる論点で、専門家の意見が分かれているのが核燃料サイクルについての議論です。GEPRは多様な観点から問題を分析します。再処理は進めるにしても、やめるにしても多くの問題を抱えます。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間














