IEAの中国脱石炭という希望的予測は外れまくり

Sergei Chuyko/iStock
世界エネルギー機関(IEA)は毎年中国の石炭需要予測を発表している。その今年版が下図だ。中国の石炭消費は今後ほぼ横ばいで推移するとしている。

Coal2024より
ところでこの予測、IEAは毎年出しているが、毎年「今後の伸びは鈍化する」と言い続けてきた。だが現実には中国の石炭消費は増大し続けた。下図がうまくまとめているように、予測は大きく外れ続けた。
IEAは、もともとは、OPECに対抗してエネルギー安全保障のためにOECD諸国が設立した機関で、冷静に情報を分析する機関だった。それがここ数年、すっかり「脱炭素の運動を推進する機関」になってしまった。
本件もそうだけれど、IEAの出す「予測」なるものは、脱炭素運動家の希望的予測にすぎないものばかりになった。
ちなみに日本政府が推進するグリーントランスフォーメーション(GX)政策の正当化にも、しばしばIEAの資料が引き合いに出されているので要注意である。
こんなIEAは、もう要らない。
■
関連記事
-
原油価格は年末に向けて1バレル=60ドルを目指すだろう。ただし、そのハードルは決して低くはないと考えている。
-
政府の第6次エネルギー基本計画(案)では、2030年までにCO2排出量を46%削減する、2050年までにCO2排出を実質ゼロにする、そのために再生可能エネルギーによる不安定電源を安定化する目的で水素発電やアンモニア発電、
-
洋上風力発電入札の経緯 そもそも洋上風力発電の入札とは、経済産業省が海域を調査し、風況や地盤の状況から風力発電に適していると判断された海域について、30年間にわたり独占的に風力発電を行う権利を、入札によって決定するという
-
(編集部より)国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が急逝されました。アゴラのシンポジウムや番組でも、鋭くも知性に満ちた言葉を届けてくださった氏の、あまりに早すぎる別れに、編集部一同深い悲しみに暮れています。 本稿
-
2024年6月に米国下院司法委員会がGFANZ、NZBAなど金融機関による脱炭素連合を「気候カルテル」「独禁法違反」と指摘して以来、わずか1年でほとんどの組織が瓦解しました。 今年に入って、7月にフロリダ州司法長官がSB
-
前回の投稿においてG20エネルギー移行大臣会合の合意失敗について取り上げたが、その直後、7月28日にチェンナイで開催されたG20環境・気候・持続可能大臣会合においても共同声明を採択できす、議長サマリーを発出して終了した。
-
英国イングランド銀行が、このままでは気候変動で53兆円の損失が出るとの試算を公表した。日本でも日経新聞が以下のように報道している。 英金融界、気候変動で損失53兆円も 初のストレステスト(日本経済新聞) 英イングランド銀
-
下記のグラフは、BDEW(ドイツ連邦エネルギー・水道連合会)(参考1)のまとめる家庭用電気料金(年間の電気使用量が3500kWhの1世帯(3人家族)の平均的な電気料金と、産業用電気料金(産業用の平均電気料金)の推移である。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間


















