気候変動で東京が蒸し暑くなったというフェイクニュース

narvikk/iStock
何かと気候危機だと騒ぐのが好きな日経新聞がまたやらかした。
こんな記事があった。東京の8月の蒸し暑さが東南アジアの都市並みに匹敵するようになったということだ。
東京の夏の暑さは東南アジア級 もう働けない、労働損失は年28億時間
同記事にある下の図を見ると、東京の湿度(横軸)がどんどん上昇して、⑧と書いてある8月には「シンガポールやバンコク並みになった」となっている。

だがこの図を一目見ておかしいと思った。
都市化が進むと、普通は乾燥化する。ところがこの図ではどんどん東京の湿度が上がっている。一体これは何だろう?
気象庁のデータから湿度(専門的には普通に言う湿度のことを相対湿度という)を拾ってみると、下図のようになる。

すると、2014年(縦破線)を境に湿度が突然上がっていることが分かる。これは実は気象の変化では全くなくて、観測地点が大手町の官庁舎の隣にあった観測所から、北の丸公園の中に移転したので、湿度が高くなっただけなのだ。
もっと長い目で見ると、過去ずっと2014年に至るまで、東京は湿度が下がってきていて、つまり乾燥が進んできた。これは都市化のせいである。
2014年のジャンプは、これは観測所の移転によるものだ。
それに、東京が蒸し暑くなったと騒ぎ立てるのは変な話ということも、この図から分かる。なぜなら、昔の東京は今よりももっと湿度が高かったからだ。
そもそもで言えば、10年間の平均と6年間の平均を比べるのもおかしいけれど、まあこの酷い記事の中ではこれすら小さなミスに見えてしまう。
2014年に東京の観測所が移転したことなど、気象について少し知っている人であれば常識である。都市化をすれば乾燥が進むというのも、まあ常識である。そんなことも誰も何もチェックできず、こんな記事を載せてしまう新聞は、失格だ。この記事は謝罪の上撤回すべきであろう。
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