今週のアップデート — 規制委員会の活断層判断(2014年6月16日)

2014年06月16日 17:30

アゴラ研究所の運営するエネルギー研究機関のGEPRはサイトを更新しました。

今週のアップデート

1) 敦賀発電所、活断層判定の再考を–原子力規制委員会へ公開討論申し入れ

原子力規制委員会が日本原電敦賀発電所2号機の下に活断層があると昨年5月に発表しました。その後、原電側が新証拠を示し、国外の専門家に評価ももらっています。しかし、規制委員会はそれになかなか応じようとしません。これを憂う民間団体が、公開討論の呼びかけをしています。その団体による主張の説明です。

2)電力とは何か?基礎から分かりやすく-誤解だらけの電力問題【書評】

NPO法人の国際環境経済研究所理事を務め、GEPRにも寄稿いただく竹内純子さんの新刊「誤解だらけの電力問題」の書評です。分かりやすく、電力の現場で学んだその実像を解説しています。

今週のリンク

1) 原子力規制委 田中新委員「独立性重要」

NHK6月13日報道。原子力規制委員会の委員が9月に代わり、田中知(たなか・さとる)東大教授、石渡明東北大教授の2人が就任します。耐震審査、基準認定を行った島崎邦彦委員が退任します。国会の同意を受けて選出された後で、田中、石渡両氏がインタビューに答えました。

2) 朝日新聞の「抗議」を受けて

ノンフィクション作家門田隆将氏の6月10日付ブログ。朝日新聞が東電福島第一原発事故で、当時の吉田昌郎所長の政府事故調の調書を朝日新聞がスクープ。ところが、それが誇張され、吉田氏を貶めていると門田氏はさまざまな媒体で批判。門田氏の言うように、誇張の面があるように見られます。

3)電力小売りを完全自由化 改正電気事業法が成立

日本経済新聞6月11日記事。改正電気事業法が成立しました。2016年に電力の小売り自由化が柱となる改革です。一般には歓迎する声ばかりですが、この先行きはどうなるのか、検討と評価が必要でしょう。

4)電力販売:他業種が参入準備 7・5兆円市場開放

毎日新聞6月12日記事。7兆5000億円の規模となる電力の小売り市場について、通信業界の参入、異業種連携が始まっています。それをまとめて紹介しています。

5) 敦賀断層に活動性はない、検討の結果

ワールドニュークリアニュース(WNN)6月10日記事。原題は「Tsuruga faults inactive, says study」。日本原電の敦賀原発の活断層問題は、原電が海外の研究者に調査を依頼し、その人々が「活断層ではない」と見解を示したために、国際的な関心を集めています。今回のWNNの問題も、原電側の主張を大きく取り上げています。

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