今週のアップデート - 日本以外で伸びる原子力産業(2015年7月21日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
福島事故の後、日本勢の勢いが鈍り、中露企業の動きが活発になっている事実を紹介します。このまま一つの産業が縮小してもいいのでしょうか。言論アリーナの紹介。近日中に記事を公開します。
自民党の電力安定推進議員連盟が、原子力規制をめぐる改革案をまとめました。内容は、抜本的に現在の規制の姿を変えるもの。この報道がほとんど行われていないために、これを紹介します。
提携する国際環境経済研究所の論考の掲載。松本真由美東京大学客員准教授の米国の環境政策のリポート、総論部分です。大国ゆえにかなり大がかりなものになっています。
今週のリンク
日本経済新聞7月17日記事。規制委の有識者会合は北陸電力の志賀原発(石川県)について、活断層の可能性があるという報告をまとめました。再稼動は当面困難になります。事業者は当然、反発。このおかしな一連の活断層をめぐる騒動を、終わらせるべきでしょう。
WNN(ワールド・ニュークリアー・ニュース)7月16日記事。原題は「Chinese nuclear giant officially launched」。中国政府主導で、原子力の輸出・生産企業の統合が進み、原子力発電所の運営や投資事業を手掛ける中国電力投資集団(CPI)と、国営エンジニアリング会社で原子炉開発も行う国家核電技術(SNPTC)とが合併し、新会社の「国家電力投資集団」(SPI)が北京で正式に設立しました。これで中国の原子力グループは3つに集約。SPIは売電収入年2000億元(4兆円)の大企業です。
朝日新聞7月20日記事。朝日新聞の調査で、原発の工事会社と地方政治家の関係が示されました。一部の地方の産業の中心が建設会社であり、違法ではありませんが、好ましいことではありません。こうしたことの透明性を確保していくことが必要です。
日本経済新聞7月17日記事。日本の温暖化ガスの削減目標が、首相出席の会議で正式に決まりました。しかし、この目標は、かなり「詰めて」いません。(参考・池田信夫「温室効果ガス26%削減は不可能である」)見切り発車は大丈夫なのでしょうか。
ワシントンポスト7月17日記事。イランをめぐる核合意が成立しました。査察の徹底化、そしてイラン禁輸の緩和が内容です。これについて、イラン原油の輸出によって、エネルギー問題の影響は長期的に現れるでしょう。米国の意見ですが、賛否両論が出ていたので紹介します。

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エネルギー、原発問題では、批判を怖れ、原子力の活用を主張する意見を述べることを自粛する状況にあります。特に、企業人、公職にある人はなおさらです。その中で、JR東海の葛西敬之会長はこの問題について、冷静な正論を機会あるごとに述べています。その姿勢に敬意を持ちます。今回は、エネルギー関係者のシンポジウムでの講演を記事化。自らが体験した国鉄改革との比較の中でエネルギーと原子力の未来を考えています。
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資産運用会社の経営者でありながら、原子力行政の「非科学的」「不公正」な状況を批判してきた森本紀行HCアセットマネジメント社長に寄稿をいただきました。原子力規制委員会は、危険性の許容範囲の議論をするのではなく、不可能な「絶対安全」を事業者に求める行政を行っています。そして政治がこの暴走を放置しています。この現状を考える材料として、この論考は公平かつ適切な論点を提供しています。
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日本の原子力問題で、使用済み核燃料の処理の問題は今でも先行きが見えません。日本はその再処理を行い、量を減らして核兵器に使われるプルトニウムを持たない「核燃料サイクル政策」を進めてきました。ところが再処理は進まず、それをつかうもんじゅは稼動せず、最終処分地も決まりません。
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東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所を5月24日に取材した。危機的な状況との印象が社会に広がったままだ。ところが今では現地は片付けられ放射線量も低下して、平日は6000人が粛々と安全に働く巨大な工事現場となっていた。「危機対応」という修羅場から、計画を立ててそれを実行する「平常作業」の場に移りつつある。そして放射性物質がさらに拡散する可能性は減っている。大きな危機は去ったのだ。
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