気候カルテルは司法委員会の調査から逃げ回る

patchanan promunat/iStock
前回に続き、2024年6月に米下院司法委員会が公表した気候カルテルに関する調査報告書についてお届けします。
今回は、司法委員会の調査に対して気候カルテルが逃げ回って回答を出さなかったり、ようやく出てきた回答が大変不誠実なものだったということについて紹介します。
Ceresは、気候カルテルが「エンゲージメントの調整、追跡、サポート」および「今後の投票の監視」に使用している、パスワードで保護されたウェブプラットフォーム「Ceres投資家ポータル」を運用している。 Ceres投資家ポータルには、Ceresが行っているすべてのエンゲージメント (提案、対話、書簡) の完全なデータベースが含まれている。
Ceres 投資家ポータルは気候カルテルの活動や独占禁止法違反の可能性にとって中心的な存在であり、委員会の召喚状で要求されたにもかかわらず、Ceresはこれらの資料の提供を拒否した。委員会が繰り返し要請したにもかかわらず、現在までCeresは委員会にCeres投資家ポータルを提供していない。
その代わりに、Ceres投資家ポータルに保存されたデータからエクスポートされたスプレッドシートで構成される3つの文書のみを提供した。Ceresが作成したこの限られた資料の形式は劣化しており、委員会の調査で合理的に使用できるものではなかった。

Ceresは、2024年3月22日にCeres投資家ポータルからエクスポートされた
データのスプレッドシート3枚を遅ればせながら提出した。
これらは事実上判読不可能だ。
委員会が繰り返し要求しても回答を拒否したり誤魔化していたとのことです。企業に対してESGのG(ガバナンス)として膨大な量の情報開示や経営の透明性などを強要する気候カルテルが、司法委員会の調査から逃げ回るというのは噴飯ものです。このような連中の要求に対して、企業側が真面目に応える必要はないなと呆れてしまいます。
■
関連記事
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクのGEPRは、サイトを更新しました。
-
今回は、日本人研究者による学術論文を紹介したい。熱帯域を対象とした、高空における雲の生成と銀河宇宙線(GCR)の相関を追究した論文である(論文PDF)。本文12頁に、付属資料が16頁も付いた力作である。第一著者は宮原ひろ
-
こちらの記事で、日本政府が企業・自治体・国民を巻き込んだ「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」を展開しており、仮にこれがほとんどの企業に浸透した場合、企業が国民に執拗に「脱炭素」に向けた行動変容を促し、米国
-
(前回:米国の気候作業部会報告を読む②:地球緑色化(グローバル・グリーニング)) 気候危機説を否定する内容の科学的知見をまとめた気候作業部会(Climate Working Group, CWG)報告書が2025年7月2
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市) 政府は、高速増殖炉(FBR)「もんじゅ」を廃炉にする方針を明らかにした。これはGEPR(記事「「もんじゅ」は研究開発施設として出直せ」)でもかねてから提言した通りで、これ以外の道はなか
-
以前紹介したスティーブン・クーニン著の「Unsettled」の待望の邦訳が出た。筆者が解説を書いたので、その一部を抜粋して紹介しよう。 スティーブン・クーニンは輝かしい経歴の持ち主で、間違いなく米国を代表する科学者の1人
-
日本の自治体も参加するスマートシティ 元ゲリラ活動家の左派大統領、ダボス会議で資本主義否定のスピーチに引き続き、ハートランド研究所の動画“In the Tank”第382回ならびにダボス会議のセッション「Bold New
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
















