都民は3000億円をかけて0.0003℃気温を下げて嬉しいのだろうか

Free art director/iStock
東京都の令和7年度予算の審議が始まった。
「世界のモデルとなる脱炭素都市」には3000億円もの予算が計上されている。
内容は、太陽光パネル、住宅断熱、電気自動車、水素供給などなど、補助金のオンパレードだ。
どれもこれも、高価だから、補助金を付けて導入を図るという訳だ。
ところで、年間3000億円もかけて、気温はどれだけ下がり、大雨の降水量はどれだけ減るのか?
IPCCによれば1兆トンのCO2排出で0.5℃気温が上がるとされている(TCRE関係という)から、この関係を使えば簡単に計算できる。
だが東京都都議会で上田議員がいくら質問しても役人は回答しなかったので、今回は、役人よりマシかと思って、AIであるChatGPTに計算させてみた。
メガトン(百万トン)とギガトン(十億トン)を取り間違えたり、CO2とCを取り違えたり、東京都と日本を間違えたり、いろいろ問題はあったが、都度、直してやると、最後は正解が出てきた(必ず、CO2削減の効果が大きく出る方向で間違えていたのは、わざとでは無いと信じてやりたい)。
AIとのやりとりの全容はこちら(英語のうえに、長いので、AIマニア向け)
結論を言うと、東京都が2050年にCO2ゼロにしても、気温低下は僅かに0.00035℃だ。
これによる降水量の低下は最大で0.0000245%しかない。
東京で過去でもっとも一日の雨量が多かったのは1958年の狩野川台風で、雨量は417mmだった。
2050年にCO2をゼロにすると、これが0.0001mmだけ減ることになる。
つまり、2050年の気温を0.0003℃下げて、狩野川台風級の400ミリの大雨を0.1ミクロンだけ減らすために、東京都民は令和7年度だけで3000億円をかける訳だ。
これのどこが都民ファーストなのだろうか?
なおちなみに、AIは「これは僅かな値ですが、世界全体の努力の一部です」などと役人風の補足も忘れずつけてくる。ウェブ上に出回っている役人文書を見て覚えたのであろう。
なおこの補助金行政には、分配の問題もある。
補助金を受け取るのは、大きな持ち家のある人、最新の大型家電を購入する人、電気自動車を購入する人などだ。つまりは世間的に言えばお金持ちである。
持ち家もなく、滅多に大型家電を買うこともなく、高価な電気自動車など買えない庶民には、何も恩恵が無い(CO2が僅かに減ることが物凄く嬉しいならば話は別だが..)。
3000億円もばらまくのなら、都民に返して欲しいと思うのが普通だろう。東京都人口は1400万人なので、一人2万円も負担していることになる。
都民は、本当にこの「世界のモデルとなる脱炭素都市」なる政策を望んでいるのだろうか?
都政は、都民に情報をきちんと提供し、判断を仰ぐべきだ。
■
関連記事
-
日本の鉄鋼業は、世界最高の生産におけるエネルギー効率を達成している。それを各国に提供することで、世界の鉄鋼業のエネルギー使用の減少、そして温室効果ガスの排出抑制につなげようとしている。その紹介。
-
高市総理は総裁選の際、「補助金の大掃除が必要だ」と明言されました。これを受け、現在は片山さつき財務大臣が「日本版DOGE」のトップとして活動を開始しています。現在、補助金や租税特別措置における無駄について広く意見を募集し
-
高浜3・4号機の再稼動差し止めを求める仮処分申請で、きのう福井地裁は差し止めを認める命令を出したが、関西電力はただちに不服申し立てを行なう方針を表明した。昨年12月の申し立てから1度も実質審理をしないで決定を出した樋口英明裁判官は、4月の異動で名古屋家裁に左遷されたので、即時抗告を担当するのは別の裁判官である。
-
「手取りを増やす」という分かりすいメッセージで躍進した国民民主党が自公与党と政策協議をしている。最大の焦点は「103万円の壁」と報道されている。 その一方で、エネルギーに関しては、国民民主党は原子力発電の推進、ガソリン税
-
2024年3月18日付環境省報道発表によれば、経済産業省・環境省・農林水産省が運営するJ-クレジット制度において、クレジットの情報を管理する登録簿システムやホームページの情報に一部誤りがあったそうです。 J-クレジット制
-
イタリアのトリノで4月28日~30日にG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開催され、共同声明を採択した。 最近のG7会合は、実現可能性がない1.5℃目標を前提に現実から遊離した議論を展開する傾向が強いが、トリノの大臣会合
-
オックスフォード大学名誉教授のウェイド・アリソン氏らでつくる「放射線についての公的な理解を促進する科学者グループ」の小論を、アリソン氏から提供いただきました。
-
トランプ政権の誕生で、バイデン政権が推進してきたグリーンディール(米国では脱炭素のことをこう呼ぶ)は猛攻撃を受けることになる。 トランプ大統領だけではなく、共和党は総意として、莫大な費用がかかり効果も殆ど無いとして、グリ
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
















