「CO2温暖化説」は完全に崩壊した:阿藤大氏が暴くIPCCの科学的欠陥

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IPCCの主張を覆す研究例は既に幾つも出ている
最近、アゴラに「地球は温暖化している」ーその根拠データは本当に正しいのか?との興味深い論考が載った。
詳しくは本文を参照していただきたいが、要点は「地球が0.7±0.2W/m2のペースで熱を溜め込んでいる」から温暖化が進むのだとする主張が、科学的に無効だと言っていることにある。
世界中の海を漂う約4000基の自律型フロートが水温データを収集し、これがIPCC気候評価の基盤になっている。室中氏の紹介したこの論文では、この測定データ自体に問題ありとするわけだ。またここでは、衛星による観測データの問題点も取り上げている。なぜなら衛星データによる地球大気のエネルギー収支には±3〜5W/m2もの不確実性があるので、このデータを使って0.7±0.2 W/m2の熱蓄積が起こっているとするのは難しいからだ。
この種の、IPCCの気候変動仮説に対する批判的な研究例として有名なものに、23年に出たSoonら32名の共著論文がある(Soon et al. Climate, 11(9), 179, 2023)。
この論文では、地上観測で集計される全地球平均気温の上昇には都市のヒートアイランド効果が半分程度含まれていること(これまでの世界平均気温上昇速度は0.89℃/100年 だったが、ヒートアイランド効果を差し引くと0.55℃/100年 に下がる)、また太陽放射強度(太陽定数)はIPCCが仮定するように一定ではなく、長期的な変動があり、これを考慮すると過去の温暖化の大半が説明されてしまう。
つまりCO2放射強制による調整(チューニング)は不要で、IPCCのCO2温暖化仮説は完全崩壊することになる。それ程の重要論文だったが、重要すぎたせいなのか何なのか、マスコミには完全無視されて終わり、現在に至っている。
またさらに「人為的CO2排出量は大気中CO2濃度変化に影響しない」という論文が24年8月に出され、私はこれをアゴラで24年11月に紹介した。この論文も非常に重要な科学的知見を与えていると私は思うが、なぜかマスコミは目もくれていない。
近年の大気中CO2濃度が毎年約2ppmずつ正確に上がっていく機構はまだ解明されていないが、この論文では、大気中CO2濃度の変動に対する確実な影響因子は人為的排出量ではなく、主に海表面温度であることを実測データによって証明している。つまり、大気中CO2は自然現象として変動し人類の活動とは無関係であると主張する。これは、脱炭素政策への根本的な否定である。
つまり科学の世界では、IPCC仮説は絶対的なものではなく、さまざまな研究によって少しずつ真実が明らかにされて行くのであり、IPCC仮説に逆らうから反対するといった非科学的な態度は許されない。また当然、無視することも許されないはずである。
阿藤氏の論文内容
今回紹介する論文は、24年と同じ在野の研究者・阿藤大氏によるもので、本文26頁、補足説明が15頁もある大作である。なお、和訳もネットで読める。
最近の科学論文は共著者数が多いのが通例だが、この論文は阿藤氏お一人で書かれたものであることも特筆しておきたい。和訳タイトルは「多変量解析と時間差検証は人為的ー地球温暖化の正帰還説を棄却する」となっており、少し分かりにくいので以下に説明する。
この論文は気象データを丹念に分析した労作だ。IPCCが提唱する地球温暖化人為説の根底にある前提は、CO2が地球大気の温室効果の主要因であることと、現代のCO2上昇が全て人類に由来すると言う仮説に依存している。ただしIPCCでさえも、CO2の温室効果がそれほど強力であるとは認めておらず、水蒸気を最も重要な温室効果ガスだと認めている。ただしCO2増加による気温上昇が、大気中水蒸気の増加をもたらし、その相乗効果(悪循環)が起こると言う理屈づけになっている。
つまり、人為排出による大気中CO2の増加が温暖化を引き起こし、それにより水蒸気が増加する、それが更なる温暖化とCO2上昇を引き起こすという「正帰還」が発生すると言う理論に基づいている。すなわち一種の「正のフィードバック」が生じて、温暖化が加速されるという理論だ。論文表題の「正帰還説」とは、このような内容を指す。
本論文では、この仮説が正しいかどうかを、気象衛星由来の2000年以降のデータを主に使って、変数間の因果関係を線形重回帰分析と言う手法で調べたわけだ。なお、この仮説の前半部分、つまり大気中CO2濃度の増加が人為的要因によるとの仮説は、上記したように阿藤氏の24年の論文で否定されていることは押さえておこう。
この論文によれば、大気中CO2濃度変化は海表面温度(SST)との相関性が高い。これは、海水温度が高ければCO2の溶解度が下がって大気へ放散され逆に低ければCO2が海水に溶け込んで大気中濃度が下がることで説明される。
研究に用いたデータとその吟味
この論文では、当然ながら、用いるデータの吟味を慎重に行っている。まず気温に関しては、気象衛星観測データの一つであるアラバマ大学ハンツビル校(UAH)による対流圏低層のデータを主に用いた。
気象衛星による気温データは他にNOAA-STARとRemote Sensing Systems(RSS)があるが、データのカバー領域が優れるためUAHを用いたと書いてある(その他の理由は付録に書かれてある)。他に地球表面の計測データも多数存在するが、地表での気温データには上記したようにヒートアイランド現象を典型とする各種バイアスを除去しきれない懸念があるため使用していない。
ただしUAHは海表面温度(SST)や地上表面温度(LST)の代替指標としての対流圏低層の温度であるため、特に地球表面での計測値とは一定の時間差が生じている。その月差を確認する目的で、英国Hadleyセンターの地表観測データを使用したとある。このような細心の配慮を、気温データ一つに対しても施している。他も同様である。
地表の水蒸気の指標として、Hadleyセンターによる全世界の比湿(G-SpHm)を使用した。なお比湿とは大気の単位重量当りの水蒸気量を指す(=水蒸気質量g/湿潤空気質量kg、ただし工学分野では分母に乾燥空気質量kgを用いることが多い→混合比と呼ぶ)。
太陽活動の指標として、大気上端(TOA)での短波長の流入値(ASW)と太陽全放射量(TSI)を用いた。2000年以降のこれらのデータを用いて、太陽活動、海表面温度(SST)、世界の比湿(G-SpHm)、そして大気中CO2濃度変化との相関を調べたわけだ。
研究結果の要約
その結果はどうであったか? まず気温に関しては、気象衛星によるUAHデータが地表観測データに数ヶ月遅れていることが確認された。またUAHのみで地表・海表面別に、両半球および緯度別に比較すると、赤道の温度変化が先行していることが確認された。
地球の水蒸気の主要発生源は海洋なので、比湿と海表面温度の時間差の確認は重要だが、その結果によると、熱帯の海表面温度が比湿に先行していた。つまり、海表面温度が先に変化して、その結果、気温や比湿が変化するのである。
これは、海洋の比熱が大気の1000倍も大きいことから、ある意味で必然的と言える。大気の温度が変わっても海には影響しないが、海の温度が変われば大気は敏感にその影響を受けるからである。そして海表面温度に最も強く影響する因子は何かと調べてみると、それは短波吸収量(ASW)と太陽全放射量(TSI)だった。つまり地球の気候の支配的要因は21世紀においても、なお太陽活動であるとの結論に至る。
この研究で得られた大きな結論は二つある。一つは地球上の温室効果を主に担う水蒸気は、少なくとも2000年以降では地球の海表面温度の従属変数だったことが確認されたこと。つまり、海表面温度が先に変化してその結果、比湿が変化するのである。
その海表面温度に最も強く影響する因子は、大気上端(TOA)での短波長の流入値(ASW)と太陽全放射量(TSI)である。つまり太陽活動と太陽光線の反射係数(アルベド)が海表面温度や気温を決定し、そして海表面温度が比湿を独占的に決定するという順番になる。この過程で、大気中CO2濃度変化は海表面温度にも比湿にもほとんど影響しておらず、事実上無視できることも示された。すなわち、大気中CO2濃度と水蒸気の正帰還説は否定される。
実はこれとほぼ同じ内容が、各種の気象データを載せているサイトClimate4youの26年2月版「要約」にも書かれている。
特に第5項:CO2の変化は気温変化に追従し、気温変化は海表面温度に追従すると。つまり因果関係は海表面温度→気温→CO2の順である。また第6項には、人為的CO2排出量が自然界での循環量よりかなり小さいので、人間活動は大気中CO2濃度変化に大きく影響しないとも書かれている。彼らは阿藤氏のようにデータの線形重回帰分析などは行っていないが、多くの気象データを調べた結果、同じ結論に達していたのである。
この結論は、長年に渡ってこの問題を追いかけてきた私などの直観的には「やはりそうなんだよなあ・・」との思いを引き出さずにはおかないが、世に広まっている地球温暖化人為説の「正帰還理論」を真っ向から否定する、破壊力の大きな結論と言える。世界中の観測機関によるデータが、そうだと言っているのであるから。
この分析の過程で、興味深い事実もいくつか明らかになった。一つは、海表面温度が変化してから数ヶ月後に大気比湿が変化すること、また2023年と24年の比湿の上昇による気温や海表面温度への影響が見られなかったことがある。
後者は、23年からの世界的な異常高温が、フンガトンガ火山の海中噴火によって大量の水蒸気が成層圏にまで吹き込まれ、その結果温室効果が強く現れたのだとする仮説を否定する内容だ。これは私には少し意外だったが、データ分析の結果であるのなら受け入れるしかないだろう。
ここでは分かりやすさを優先して、あまりに詳しすぎる説明は省いたが、本論文をご覧になれば分かるように、非常に詳細な分析が図表で示されているので、説得力は十分に感じられる。科学とは、このようにして進んで行くという典型例と言える。
論文から触発される種々の事柄
阿藤氏のこの論文を読んで、私の脳裏に去来する思いを幾つか書いておきたい。一つは現在の日本の大手マスコミ等を支配している「人為的CO2温暖化説」の根深さである。
今では新聞記事の多くで「地球温暖化の原因となるCO2」との文言が、何の断りも根拠も示されることなく書かれている。一体、この文言には科学的根拠があるのか?少なくとも、ここで紹介した論文に従う限り、CO2は温暖化の原因でも何でもないし、そもそも人間活動由来のCO2は大気中CO2濃度変化に何ら影響していない。つまり「人為的CO2温暖化説」には科学的根拠が全く欠落している。この事実を、なぜ認めないのだろうか?
それに化学を知っていれば、CO2を悪者・邪魔者扱いすることが如何に愚かなことか、分かるはずだ。何しろ、あなたが食べた食物中の全ての有機炭素は、大元を辿れば大気中CO2なのだから。事実として、人類はまだ大気中CO2から有機物を合成できていない。ほぼ全部、植物等の生物活動(光合成等の炭酸同化作用)に頼っているから。故にCO2が無ければ、我々は飢える!
また、何か異常気象や山火事などが起きたり、海水温が上昇して海産物の収穫量に影響したり、南極・北極の海氷が消長したりすることを、全て「気候変動の影響」と言い切り、何もかもがCO2による温暖化が根本原因であるかのように言いつのる傾向が、特にマスコミで強い。最近は、クマの頻出や海鳥の大増殖までも気候変動のせいだとされる。
しかし、この短絡的発想を改めない限り、新たな認知の地平は開けない。そもそも、気温が上昇しても海水温は上昇しない(熱容量が1000倍以上違うから)。変化の順番は常に、海水温→気温、CO2濃度等なのであり、海水温の支配因子は、主に日射と反射係数(アルベド)、さらには海流その他の要因が含まれるだろう(人類は「海」に隠された真実を、まだまだ解明できていない)。
しかるに、TV・新聞報道などの多くで「海水温の上昇は気候変動の影響」だと言う。これは科学的に完全な間違いで、話が全く逆だ。まずは、海水温が変化してその結果、気温その他が変化するという、単純な事実の確認が重要なのだ。
温暖化論争でよく出てくる議論として「どちらが正しいのかは解らないが、科学者のコンセンサスやポリティクスでIPCCの方向性が決まっているとの認識では一致する」との話が、しばしばなされる。私はこれに全く納得できない。これは科学ではないからだ。
科学とは、もっと素直な姿をしているものだ。つまり、信頼できるデータと論理「だけ」で結論が出されるものであり、コンセンサスだのポリティクスだのは何の影響も及ぼすものであってはならないのだ。そして、論文の著者が在野の研究者でアカデミズムに属さない人であっても、その結論には何の影響もないはずだ。その結論が科学的に正しければ。しかるに、残念ながら現実は必ずしもそうなっていない。その不条理に、私は妥協せず徹底的に逆らいたい。
私が日本政府および日本国民に望むことはごく単純なことだ。つまり、「人為的CO2温暖化説」には科学的根拠が全く欠落していることを素直に認め、故に、脱炭素政策には意味がないと悟り放棄することである。それが、この国の将来にとっても有益であると信じるからである。
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