地球温暖化による気温上昇は0.06度で体感不可能

small smiles/iStock
連日の猛暑で「地球温暖化の影響ですか?」という質問にウンザリしている毎日だ。
最新の衛星観測データを見ると、6月の地球の気温は1991-2020年の30年間の平年値と比べて僅かにプラス0.06℃。0.06℃を体感できる人など居るはずが無い。
面白いことに、6月の熱帯域(北緯20度から南緯20度)の気温は平年値に比べてマイナス0.36℃だった。これは、月平均気温としては10年ぶりの涼しさだった。そして6月としては22年ぶりの涼しさだった。また過去44年間の衛星観測史上9番目の涼しい6月であった。
こういうととても涼しそうに聞こえるが、まあ、暑い涼しいといっても、コンマ何度の話だから、いずれにせよ体感できるような気温差ではないが。。。
日本が特に暑いということは、どこか別の所は特に涼しい。日本付近に南方の暑い空気が北上してきていれば、どこか別のところで北から涼しい空気が南下してゆく。地球の大気とはそういうものだ。
■

関連記事
-
調達価格算定委員会で平成30年度以降の固定価格買取制度(FIT)の見直しに関する議論が始まった。今年は特に輸入材を利用したバイオマス発電に関する制度見直しが主要なテーマとなりそうだ。 議論のはじめにエネルギーミックスにお
-
今年7月から再生可能エネルギーの買取制度が始まります。経産省からは太陽光発電で1kWh42円などの価格案が出ています。この価格についての意見を紹介します。
-
IPCCの報告が昨年8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 大雨についてはこのシリーズでも何度か書いてきたが、今回は
-
政府「不測時における食料安全保障に関する検討会」のとりまとめが発表された。 もし食料不足になったら? 対策の報告書まとまる 農水省 その内容は、不測の事態によって食料が不足するときに、政府が食料の配給をしたり、価格を統制
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 前回書ききれなかった論点を補足したい。現在の日本政府による水素政策の概要は、今年3月に資源エネルギー庁が発表した「今後の水素政策の課題と対応の方向性 中間整理(案)」という資料
-
はじめに 世界的な生成AIの普及やデータセンターの拡大により半導体需要が急速に高まって、日本国内でも供給の安定化を目指して大規模半導体工場の建設ラッシュが起こっている。 なかでも注目されるのが、世界的半導体製造会社TSM
-
先の国会の会期末で安倍晋三首相の問責決議可決などの政治の混乱により、政府が提出していた“電気事業法変更案”が廃案になった。報道によると、安倍首相は「秋の臨時国会で直ちに成立させたい」と述べたそうだ。
-
地球温暖化の予測に用いられる気候モデルであるが、複雑な地球についてのモデルであるため、過去についてすらロクに再現できない。 地球平均の地表の気温については過去を再現しているが、これは、再現するようにパラメーターをチューニ
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間