気候カルテルの中にもいる頓馬さん

2025年02月11日 06:40

Edgar G. Biehle/iStock

引き続き、2024年6月に米下院司法委員会が公表した気候カルテルに関する調査報告書についてお届けします。

(前回:「ESGに取り組まないと資金調達ができない」はフェイクだと米下院が暴露)

今回は少しだけ心温まるお話をご紹介します。

New Report Reveals Evidence of ESG Collusion Among Left-Wing Activists and Major Financial Institutions

Arjuna Capital, LLC(Arjuna)は小さな株式を保有しているが、企業に過酷な要求を行う。

(中略)

Arjunaは、Climate Action 100+とNZAMの両方のメンバーである。

(中略)

Arjunaは特に化石燃料企業と積極的に交渉し、企業を破壊しようとしている。

確立された企業法の原則によれば、「取締役は、株主の最善の利益のために行動する受託者責任を負っている」。

(中略)

しかしArjunaは「石油会社は1.5度の地球温暖化の閾値内でのみ『利益を最大化』することしかできず、それを超えてはならない」と考えている。したがって、Arjunaはエクソンとシェブロンで少数の株式所有権を行使し、これらの企業を根本的に変えるような変化を迫った。

2021年、Arjunaは米国第2位の石油会社であるシェブロンに過激な株主提案を提出した。

(中略)

Arjunaの提案する変革は、企業としての長期的な利益に反するとしても、シェブロンが「平均気温を1.5℃に抑えるために必要な措置(化石燃料生産の削減など)」を講じる必要があるとしている。

シェブロンの株主は、97対3の投票でArjunaの提案を拒否した。

ひるむことなく、Arjunaは2024年の株主総会で、エクソンモービルに対し「排出削減のペースをさらに加速させる」ことを要求する株主提案を提出した。排出削減のペースをさらに加速させるとエクソンが明言していたにもかかわらず、Arjunaは提案した。エクソンの株主は2022年と2023年の両方で「同様の提案を全面的に拒否した」にもかかわらず、同じ主張をした。

エクソンは、Arjunaの提案に異議を唱える訴訟を起こした。Arjunaの提案はエクソン経営陣のビジネス判断に直接干渉し、エクソンのコアビジネスであるエネルギーおよび石油化学製品とサービスを細かく管理し、経営陣と取締役会の役割を奪い、Arjunaが好む政策を押し付けようとしているとエクソンは説明した。

これに対し、Arjunaは株主提案を撤回した。

しかし、2024年5月22日、裁判所はArjunaの却下申し立てを却下し、エクソンモービルの訴訟を進めることを許可した。

裁判所は、「Arjunaは『トロイの木馬』モデルに従っており、さまざまな企業で議決権を持つための株式を集め、大手石油会社の温室効果ガス排出を削減するための提案を提出している」と説明し、エクソンモービルの立場は、大手石油会社に断固反対する団体に対する合理的な対応である、と判定した。

※ 上記引用箇所の太字は筆者

数年にわたって出した株主提案をすべて拒否され、企業側から提訴されたらすぐに株主提案を取り下げただけでまったく理念も信念も存在しない行動です。さらに株主提案の却下を裁判所が認めてくれずに訴訟が進められたのだとか。

米国下院から過激な犯罪者と名指しされた気候カルテルの中にも、このような頓馬なメンバーがいることを知りました。この程度の連中であれば企業としても与しやすいのですが、ビジネスに集中して生産性を上げESG投資家を除く大多数の株主に報いなければならない企業にとって迷惑千万であることに変わりはありません。

■

 

This page as PDF

関連記事

  • 今年の7~8月、東京電力管内の予備率が3%ぎりぎりになる見通しで、政府は節電要請を出した。日本の発電設備は減り続けており、停電はこれから日常的になる。年配の人なら、停電になってロウソクで暮らした記憶があるだろう。あの昭和
  • 以前、尾瀬の自然保護活動に関して「仮想評価法(CVM)」という手法を使ってその価値の計測を試みたことがある。ハイカーが押し寄せて自然が荒廃した1960年代の尾瀬の写真と、保護活動により回復した現在の尾瀬の写真を2つ提示し、尾瀬の美しい自然価値に対して自分が支払ってもいいと考える評価額(支払い意思額)を聞いたものだ。回答のなかには驚くほど高額の回答もあり、平均すると年間で1人1000円超となった。担当者としては、尾瀬の自然に高い価値を感じてくださっていることを嬉しく思うと同時に、その場で自分が支払うわけではない「架空の財布の紐」は緩いのだとも感じた。
  • 東京都知事選投票日の翌朝、テレビ取材のインタビューに小泉純一郎氏が晴れ晴れとして応えていた。この歳になってもやれると実感したと笑みをこぼしていた。なんだ、やっぱり寂しい老人の御遊びだったのか。インタビューの随所からそんな気配が読み取れた。
  • 学術的知識の扱い方 学界の常識として、研究により獲得された学術的知識は、その創出、伝達、利用の3点での適切な扱いが望ましい。これは自然科学社会科学を問わず真理である。ところが、「脱炭素」や「地球温暖化」をめぐる動向では、
  • これは環境省の広域処理情報サイトのトップページにあるメッセージ。宮城県と岩手県のがれきの総量は、環境省の推計量で2045万トン。政府は2014年3月末までに、がれき処理を終わらせる目標を掲げている。
  • エネルギー戦略研究会会長、EEE会議代表 金子 熊夫 GEPRフェロー 元東京大学特任教授  諸葛 宗男 周知の通り米国は世界最大の核兵器保有国です。640兆円もの予算を使って6500発もの核兵器を持っていると言われてい
  • 政府のエネルギー・環境会議による「革新的エネルギー・環境戦略」(以下では「戦略」)が決定された。通常はこれに従って関連法案が国会に提出され、新しい政策ができるのだが、今回は民主党政権が残り少なくなっているため、これがどの程度、法案として実現するのかはわからない。2030年代までのエネルギー政策という長期の問題を1年足らずの議論で、政権末期に駆け込みで決めるのも不可解だ。
  • 2024年3月18日付環境省報道発表によれば、経済産業省・環境省・農林水産省が運営するJ-クレジット制度において、クレジットの情報を管理する登録簿システムやホームページの情報に一部誤りがあったそうです。 J-クレジット制

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑