今週のアップデート - アゴラ・シンポジウム、静岡で9月27日開催(2014年9月8日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) 第3回アゴラ・シンポジウム「災害のリスク 東日本大震災に何を学ぶか」
アゴラ研究所は、9月27日に静岡で、地元有志の協力を得てシンポジウムを開催します。東日本大震災からの教訓、そしてエネルギー問題を語り合います。東京大学名誉教授で、「失敗学」で知られる畑村洋太郎氏、軍事アナリストの小川和久氏などの専門家が出席。多様な観点から問題を考えます。聴講は無料、ぜひご参加ください。詳細は上記記事で。
アゴラ・シンポジウムで基調講演をする畑村洋太郎氏に、寄稿をいただきました。畑村氏は震災前から災害、原発、津波のリスクを指摘してきました。政府福島原子力発電所事故調査・検証委員会では委員長を務めました。
「想定」「避難」「復興」「全体像」「共有」「平時と有事」「複合災害」「過去の経験」などのキーワードで表される8つの視点から問題を分析。防災、そして個人の生活に示唆の富む文章です。ご一読ください。
元日本原電勤務で、原発事故では被災者となった北村俊郎さんに、寄稿いただきました。放射性廃棄物問題は、処理方法は固まっているのですが、その処分地が決まりません。福島県では県内での原発事故処理のための中間貯蔵施設の受け入れは決まったものの、そこから先に進みません。そのいらだちを示しています。
4)蟷螂の斧―河野太郎議員の電力システム改革論への疑問(その2)・原発は優遇されているのか?
元経産官僚で、国際環境経済研究所の所長である澤昭裕氏の寄稿です。澤氏はアゴラ・シンポジウムにも出席します。エネルギー問題の論客である河野太郎議員の主張についての疑問を示しています。今回は2回目。電力網の使用について、河野氏の意見を分析しています。
みんなの党の都議会議員であるおときた駿さん、政策コンサルタントの宇佐美典也さん、政治活動家の海老澤由紀さんです。宇佐美さん、おときたさんが柏崎原発を訪問。その地震対策の工事の様子を語ります。ここまでの対策をしても、再稼動ができるか、先行きは見えません。ただしそれゆえに、東京電力は燃料費がかさみ、経営が厳しくなっています。
今週のリンク
1)東電、控訴見送り 川俣の自殺賠償訴訟 「原発避難原因」確定へ
福島民報9月6日記事。原発事故の避難者が自殺し、裁判で東電への支払いを認めた問題で、東電は控訴しないことを決めました。難しい問題です。
2)上昇予測していない 原発事故によるがん発生率で国連科学委
福島民報9月6日記事。福島第一原発事故について、「原子放射線に関する国連科学委員会」(UNSCER)が福島で説明会を開催しています。すでにGEPRで伝えたように、甲状腺がんの発見増加は「検査の活発な結果」という認識を科学者はしています。
日本経済新聞9月5日記事。関電が建設後40年経過した旧型炉の廃炉を検討。古い炉の見直し論議が、今後広がります。
読売新聞9月5日記事。日本原電敦賀2号機をめぐる議論で、原子力規制委員会がその下に活断層があるという認定を覆しそうにありません。記事をみても、議論がかみあわず、かなりおかしな状況になっています。
静岡県ホームページ。13年12月公表。同県の地震想定のデータを公表。連動した地震が起こった時、静岡県全体に津波を中心に大変な損害が広がることが想定されています。

関連記事
-
「手取りを増やす」という分かりすいメッセージで躍進した国民民主党が自公与党と政策協議をしている。最大の焦点は「103万円の壁」と報道されている。 その一方で、エネルギーに関しては、国民民主党は原子力発電の推進、ガソリン税
-
【Vlog】ペットボトルは分別しないで燃やせばいい アゴラチャンネルで池田信夫のVlog、「ペットボトルは分別しないで燃やせばいい」を公開しました。 ☆★☆★ You Tube「アゴラチャンネル」のチャンネル登録をお願い
-
ことの経緯 8月25日、東京電力はかねて懸案である第一原子力発電所に100万トン以上貯留されているトリチウム処理水の海洋放出の具体的な方法を発表した。処理水は、沖合1kmの放水口から放出される方針だという。 今年4月13
-
福島第一原子力発電所事故の後でエネルギー・原子力政策は見直しを余儀なくされた。与党自民党の4人のエネルギーに詳しい政治家に話を聞く機会があった。「政治家が何を考えているのか」を紹介してみたい。
-
原子力規制委員会は11月13日に、日本原子力開発機構(「機構」)の所有する高速増殖原子炉もんじゅに関し、規制委員会設置法に基づく勧告を出した。
-
「CO2から燃料生産、『バイオ技術』開発支援へ・・政府の温暖化対策の柱に」との報道が出た。岸田首相はバイオ技術にかなり期待しているらしく「バイオ技術に力強く投資する・・新しい資本主義を開く鍵だ」とまで言われたとか。 首相
-
2025年5月22日、米下院はトランプ大統領が「One Big Beautiful Bill(ビッグ・ビューティフル・ビル)」と呼ぶ歳出・歳入一括法案を、賛成215、反対214(棄権1)で可決した。 本法案の柱は、大規模
-
ガソリン価格が1リットル170円を上回り、政府は価格をおさえるために石油元売りに補助金を出すことを決めました。他方で政府は、脱炭素化で化石燃料の消費を減らす方針です。これはいったいどうなってるんでしょうか。 レギュラーガ
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間