サナエ総理の6つの力:日米同盟のさらなる黄金時代へ

2025年10月30日 06:50
アバター画像
東京工業大学原子炉工学研究所助教 工学博士

首相官邸HPより

サナエあれば、憂いなし

日米首脳会談は友好的な雰囲気の中で始まった。日米双方にとって憂いなき日米関係の強靭化のはじまり。

〝サナエあれば、憂いなし〟の幕開けである。

28日、迎賓館での首脳会談の開始前。双方の側近たちの交歓の場面が映されていたが、ルビオ国務長官、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、赤澤経済産業大臣、茂木外務大臣、片山財務大臣らが通訳を介さず思い思いに言葉を交わしていた絵図がとても印象的だった。

英語という共通言語で意思疎通がはかれる・・・

これは日米のあたらしい時代を開いていくうえで非常に重要なことだと思う。

わたしはこの場面を見て、サナエさんはこのような機会があることを見越してサナエ内閣の布陣も考案したのだと思う。

まさにサナエあれば憂いなし、である。

©産経新聞(2024/9/9 前回の総裁選)

日米の新たな黄金時代——6箇条のサナエ『力』

日米関税交渉が合意され文書に署名がされた。これは大きなインパクトをもつ。ポイントは、自動車などの関税が15%。日本から米国への投資が約80兆円。これらに加えてレアアースのサプライチェーンを日米を基軸に新たに構築することも含まれている。

TV画面からキャプチャー

トランプ大統領は今回の来日の前にマレーシアを訪問して重要鉱物の貿易に関する覚書に署名している。それにより、米国はレアアース(17種の希土類元素の総称)などの重要鉱物の調達先を中国以外にも拡大できることになった。なお、現在世界に流通しているレアアースの約90%を中国が供給している。レアアースは、皆さんご存知のように、ソーラーパネルからスマートフォンなど広範な電子機器に不可欠な物質である。

サナエさんは、中国製の太陽光パネルが日本の国土を侵食していることを憂えており、日本発のペロブスカイト太陽電池の実用化と国内生産を目指しているフシがある。つまり、その意味からもこのレアアースの合意が文書化された意義は大きい。

©産経新聞(2025/9/25)

高市総理によれば、日米同盟の新たな黄金時代のキーポイントは、つぎのひとことに凝縮されていると私は思う。

「わたしはこれから日本の国力、つまり外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を強くするリーダーとして働く決意だ」

これら6箇条の『力』がサナエ施政に底通するということである。

特に、防衛に関してはすでに防衛費の増額方針をトランプ大統領の来日前からサウンディングしていたこともあって、大統領の口から次の言葉を引き出すことに成功している。

「また日本も、防衛力や防衛費に関して、かなり増加をされると聞いている。この他米国から防衛装備品の調達をするということで、米国はベストな戦闘機・ミサイルなどをもっている。もちろん使いたくはないが、このような調達に関しても感謝申し上げたい。(中略)・・・非常にエキサイティングな時代になっていく」

マリーン・ワンと日本製原潜

高市総理は「日米同盟の新たな黄金時代をトランプ大統領とつくりたい」と強調し、これを受けトランプ大統領は「この関係はこれまで以上に強いものとなるだろう。我々は最も強固な水準の同盟国だ」と表明した。

両首脳は会談後、大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」に同乗し、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を視察した。

〝最も強固な水準の同盟国〟を支える重要な要素が日米安全保障条約という名の軍事同盟であり、横須賀基地はその象徴としての位置付けがある。

つまり、日米首脳会談の直後に、マリーン・ワンに同乗して横須賀基地視察は、これまでになく〝強固な同盟国の幕開け〟になんとも相応しいエクスカーションである。

これは主に日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国による「日米豪印戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)」にたいして、強固な同盟関係の拡大へのアピールになるであろう。同時に日本の敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つミサイル垂直発射装置(VLS)搭載の最新鋭原子力潜水艦の開発保有を後押しする動きであると私はみている。

原潜のVLS、ハッチ(蓋)を開いた状態©️Wikpedia

原子力空母ジョージ・ワシントンに到着したトランプ大統領は、高市総理を横に、在日米軍および自衛隊員を前に演説した。そのなかで大統領は、「インド太平洋を自由で開かれたものとし、この地域の平和と繁栄の基盤とする決意を新たにした」と語った。一方、高市総理は、日本の防衛力を抜本的に強化し、「トランプ大統領と日米同盟をさらなる高みに引き上げる」との決意を新たにした。

原子力空母ジョージ・ワシントンで演説するトランプ大統領
©️日経新聞

私は、〝高市総理〟が絶妙のタイミングで誕生したと思う。前任者やポエム・ステマの人では、かようなパフォーマンスは敵わなかっただろう。

トランプ大統領は高市総理を「偉大な総理になるだろう」と賞賛し、日米同盟の強固な結束をアピールしている。

This page as PDF
アバター画像
東京工業大学原子炉工学研究所助教 工学博士

関連記事

  • 集中豪雨に続く連日の猛暑で「地球温暖化を止めないと大変だ」という話がマスコミによく出てくるようになった。しかし埼玉県熊谷市で41.1℃を記録した原因は、地球全体の温暖化ではなく、盆地に固有の地形だ。東京が暑い原因も大部分
  • オーストラリアは、1998年に公営の電気事業を発電・送電・小売に分割民営化し、電力市場を導入した。ここで言う電力市場は、全ての発電・小売会社が参加を強制される、強制プールモデルと言われるものである。電気を売りたい発電事業者は、前日の12時30分までに卸電力市場に入札することが求められ、翌日の想定需要に応じて、入札価格の安い順に落札電源が決定する。このとき、最後に落札した電源の入札価格が卸電力市場価格(電力プール価格)となる。(正確に言うと、需給直前まで一旦入札した内容を変更することもできるが、その際は変更理由も付すことが求められ、公正取引委員会が事後検証を行う。)
  • 3月10日から久しぶりに米国ニューヨーク・ワシントンを訪れてきた。トランプ政権2.0が起動してから50日余りがたち、次々と繰り出される関税を含む極端な大統領令に沸く(翻弄される)米国の様子について、訪問先の企業関係者や政
  • IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 欧州で旱魃が起きたことは、近年の「気候危機」説の盛り上が
  • 「40年問題」という深刻な論点が存在する。原子力発電所の運転期間を原則として40年に制限するという新たな炉規制法の規定のことだ。その条文は以下のとおりだが、原子力発電所の運転は、使用前検査に合格した日から原則として40年とし、原子力規制委員会の認可を得たときに限って、20年を越えない期間で運転延長できるとするものである。
  • 今年7月からはじまる再生可能エネルギーの振興策である買取制度(FIT)が批判を集めています。太陽光などで発電された電気を電力会社に強制的に買い取らせ、それを国民が負担するものです。政府案では、太陽光発電の買取額が1kWh当たり42円と高額で、国民の負担が増加することが懸念されています。
  • 1.はじめに 雑誌「選択」の2019年11月号の巻頭インタビューで、田中俊一氏(前原子力規制委員会(NRA)委員長)は『日本の原発はこのまま「消滅」へ』と題した見解を示した。そのなかで、日本の原子力政策について以下のよう
  • NHK
    NHK 6月29日公開。再生可能エネルギー(再エネ)の太陽光発電が増え、買い取り費用が膨らんでいることで、私たちの負担がいま急増しています。

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑