今週のアップデート - 地震と原子力(2016年4月25日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
九州地震の被災者の方へのお見舞いを申し上げます。経済ジャーナリストで、GEPR編集者の石井孝明のコラム。九州地震でも日本のインフラ企業の復旧力が改めて示されました。しかしエネルギーシステム改革の中で、正しいことなのか、心配になるという指摘です。
東京工業大学の澤田哲生さんに寄稿いただきました。北朝鮮は、核兵器の能力を高めており、あなどれないという指摘です。
民間の団体、原子力国民会議が専門家を集め、高速増殖炉もんじゅについて包括的な考察をしました。存続派の論点が詰まっています。GEPR・アゴラはこの問題に中立ですが、多様な意見を紹介していきます。
今週のリンク
電力中央研究所。東日本大震災における被災とインフラの関係をまとめた詳細なリポート。個人から、企業や行政の防災担当者まで、参考になる考察です。
GEPR、13年1月記事。米国の電力自由化と、復旧の遅れの問題を取り上げています。日本のエネルギー産業も、システム改革・自由化の中でこの問題に直面するかもしれません。
ロイター通信4月18日記事。世界的な大富豪で、慈善活動家であるビル・ゲイツ氏が米国政府への期待を示しています。彼の持論として、政府のイノベーションへの支援、特に公益性があり、巨額で回収までの時間がかかるために民間資金がつきにくいエネルギーのイノベーションへのアメリカ政府の支援の必要性を訴えています。
産経新聞4月23日記事。九州の地震で一般向けの広報を適切にしなかった規制委員会が批判されているという記事です。しかし、これは他の行政の科学的な内容を伴う広報活動にも言えることです。原子力防災の担当は内閣府で環境大臣兼務です。政府全体の広報活動が適切ではありません。
ロイター通信4月22日記事。中国が紛争状態にある南シナ海の基地に小型原子炉を配備しようと計画しています。これは他国の攻撃を抑止する効果、事故への懸念もあるでしょう。早急に止めさせることを各国は申し入れるべきです。
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エネルギーで考えなければならない問題は、原子力だけではありません。温暖化、原発の安全管理、エネルギー供給体制など、さまざまな課題があります。
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米国シェールガス革命に対する欧州と日本の反応の違いが興味深い。日本では、米国シェールガス革命によって日本が安価に安定的に燃料を調達できるようになるか否かに人々の関心が集中している。原子力発電所の停止に伴い急増した燃料費負担に苦しむ電力会社が行った値上げ申請に対し、電気料金審査専門委員会では、将来米国から安いシェールガスが調達できることを前提に値上げ幅の抑制を図られたが、事ほど左様に米国のシェールガス革命に期待する向きは大きい。
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エネルギー政策の見直し議論が進んでいます。その中の論点の一つが「発送電分離」です。日本では、各地域での電力会社が発電部門と、送電部門を一緒に運営しています。
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